失敗しない天然ワックスの施工方法

いつも弊社お取り扱いのカーケア用品をご愛顧頂き誠に有難うございます。
愛車の美観維持には、こまめな洗車が一番ですが、そのためには楽しみながらストレス無く行うことが非常に大切だと思います。
そこで今回は、「せっかく天然ワックスを施工したのにムラになってしまった」「拭き取りが重く施工が嫌になってしまった」ということにならないよう誰でも簡単にMitchell&Kingの天然ワックスを施工するコツをご紹介します。

天然ワックスの硬化の原理

天然ワックスはカルナバロウや蜜蝋(ビーズワックス)などの蝋に天然オイルを添加することで固いカルナバを柔らかくすることで、常温でも車の塗装に塗り込みができるようになっています。さらに天然オイルを添加する理由としては、天然ワックスはカルナバばかりにフォーカスしてしまいがちですが、単にカルナバロウを柔らかくするためだけでなく、純粋に美観を引き立てる重要な役割を担っています。艶に特化した高級天然ワックスが必ずしも、カルナバ含有量が多くハードワックスでない理由はここにあります。
余談ですが、
ハードワックス→ワックス全体に占めるカルナバ含有比率が高く、天然オイル含有比率が低い
オイリーなワックス→ワックス全体に占めるカルナバ含有比率が低く、天然オイル含有比率が高い
ソフトワックス→比較的柔らかい蝋を使用している場合が多い(T1カルナバが少ない場合もあります)
このような特徴もあります。

前置きが長くなりましたが、天然ワックスは塗装に塗布し、メーカーや製品によって乾燥硬化時間は異なるものの必ず拭き取る前に硬化させる必要があります。これは塗り込んでからワックスに含まれるオイルが揮発することで、カルナバが定着するためです。ワックス乾燥後、一度に塗装に定着する限界量がありますので、余剰分をクロスで拭き取り硬化したワックスのみ塗装面に残ることになります。
※厳密にはオイルは完全に揮発するのではなく、カルナバとオイルが混ざり合ったものが塗装面に残ります。

施工環境について

ワックスを施工する前に抑えておきたいポイントは、ワックスは気温が高く、湿度が低い時に乾燥硬化が早くなります。そのため、あまりに気温が低いと塗布してから硬化するまでかなりの時間がかかってしまいますので注意が必要です。
また、前述の通り天然ワックスはスプレーコーティング等とは違い、塗布してから拭き取るまでに時間がかかってしまいますので、風が強い日は砂埃が付着しキズの原因となるのでご注意ください。
雨が降りそうな天気の場合は、硬化が早いワックスもおすすめです。

ワックス前の下地処理

【用意する物】
・PURE・・・古いワックス(油分汚れ)を落とすクリーナー
・TITAN・・・ワックスの艶、耐久性を向上させるシーラント
・QD・・・クイックディテイラー
・ワックス
・純水(あると便利です)
・マイクロファイバーアプリケーター 3枚
・マイクロファイバークロス 2〜3枚

事前に洗車をして綺麗な状態にしてから作業を行います。
この時に、ボディが暑くないか再度確認をしてください。

まず最初にPUREをよく振ってからマイクロファイバーアプリケーターに適量付け塗装面に直線的に塗り込んでいきます。
塗装に油分汚れが蓄積している場合は、マイクロファイバーアプリケーターが茶色く汚れが付きます。
塗り込みが重いと感じた場合は、マイクロファイバーアプリケーターに純水を1プッシュ噴霧して、ほんの僅かに湿らせると塗り込みやすくなります。

気温と湿度にもよりますが、数分放置するとPUREの油分が飛び、サラサラと白く乾燥した状態になりますので綺麗なマイクロファイバークロスで優しく拭き取ります。
拭き取りが重い場合は乾燥時間が足りていない可能性がありますので、再度時間を空けてください。

拭き取りのタイミングが分からない場合は、スワイプテストもお勧めです。
スワイプテストとは、名前の通り指で優しく擦り乾燥の程度をチェックすることを言います。
写真の例では、左側は完全に乾燥していないため、油分を引きずっているのが確認できます。
それに対して右側は、しっかりと乾燥しているため下の塗装面が確認できます。この状態になれば拭き取りができるサインになります。

続いてワックスを施工する前に、TITANを施工していきます。
PUREを拭き取った後に、時間を空けずにすぐ作業していただいて大丈夫です。
一般的には、シーラントはワックスの施工後に使用する製品が多いですが、Mitchell&Kingではワックスの定着を促進するため、ワックス施工前に使用します。

施工方法は、PUREと同じで綺麗なマイクロファイバーアプリケーターに適量付け塗り込み、乾燥後きれいなマイクロファイバークロスで拭き取ります。
PUREとTITANの施工が終わった段階で、一般的なワックスを施工した時よりも深みのある艶と非常に滑らかな手触りになります。

ワックス塗布方法

TITANの拭き取りが終わりましたら、いよいよワックスの施工になります。
ここで重要なポイントは、フォームアプリケーター(スポンジ)ではなく、マイクロファイバー素材のアプリケーターを使用することです。
マイクロファイバーアプリケーターを使用する理由は、フォームアプリケーターよりも薄く塗る事ができるため、拭き取りが軽くストレスにならないことと、薄塗りができるということは、ワックスの消費量を抑えることにも繋がります。

マイクロファイバーアプリケーターの1/3〜1/4程度にワックスを付けます。ワックスは蓋を開けっ放しにしてしまうとオイルが揮発してしまうため、都度蓋を閉めるようにします。
極力薄塗りをしたいため、付け過ぎにはご注意ください。また、均一な厚さで塗布するためには、アプリケーターにも均一にワックスを付けることも重要です。
その後、マイクロファイバーアプリケーターに、QDを1〜2回噴霧して僅かに湿らせます。(つけ過ぎにはご注意ください。僅かに湿っている程度で十分です)
これによりマイクロファイバーアプリケーターが柔らかくなり、塗装面にキズがつくリスクを軽減し、さらに軽い力で塗り込みができるようになります。

ワックスを塗り込んでいく前に、塗布する範囲にアプリケーターを軽く置くことで、均一に塗る事ができます。
ワックスの塗り込みは、円運動ではなく、直線的に塗布することがムラになりにくくするためのポイントになります。
一般的にムラになってしまう原因は、ワックスの厚い部分と薄い部分が発生してしまうとムラに繋がるとされています。
その観点から、直線的に塗り込んだ方が均一になるため結果としてムラの発生を抑制する事ができます。
また、マイクロファイバーアプリケーターの1/3〜1/4にしかワックスを付けなかった理由は、厚塗りになってしまった場合にこの部分でワックスを拭き取ることで均一に塗布できるよう調整する事ができるためです。

この画像が実際にワックスを塗った後の状態です。
ご想像よりもずっと薄く塗っていると思われたのではないでしょうか?
ブラックブースにスポットライトを当てているためしっかりと塗布できている事が確認できますが、慣れないうちは本当に塗布できているか少し分かりにくいかもしれません。

この画像は、スポットライトを消した時の見え方です。
すごく分かりにくいですね…。
対処法としては、屋外で施工する場合は様々な角度から太陽の光を当てることで、塗布できているかチェックする事ができます。
(逆に光を当てなくても塗布した部分が明らかに見える場合は、少し厚塗りしてしまっているということになります)

また、低価格なもので構いませんので、ハンディライトがあると視認化することができて非常に便利です。
直線的に塗布ができているとライトを当てた時に、画像のような見え方をしますのでこちらもご参考にしてみてください。

拭き取りのタイミング

拭き取りはワックスの種類にもよりますが、概ね20〜30分程乾燥硬化させてから、綺麗なマイクロファイバークロスで拭き取ります。(詳細は各ワックスの乾燥時間をご確認ください)
薄塗りができていると引っ掛かりがなく、非常に軽く拭き取ることができます。
拭き取りが重いと感じた場合は、下記の内容が原因として挙げられます。
1、厚塗りをしてしまった
2、乾燥時間が足りず、オイルが揮発しきっていない
乾燥時間が足りなかった場合は、再度時間を空けてから拭き取ってください。
それでも重い場合は、マイクロファイバークロスに軽くQDをスプレーしてから拭き取っていただいても問題ありません。
天然ワックスの施工後は、すぐに水に濡れても問題ありません。

重ね塗りのポイント

石油系溶剤を含まない天然ワックスの大きな利点として、2層、3層と塗り重ねが可能であることが挙げられます。
ワックスは、一度で定着する量に限度があるため、厚塗りをしても硬化に時間がかかるだけでなく、塗布したワックスの表層しか硬化せず良いことがありません。
そのため、薄塗りを繰り返し、少しづつ定着させてあげる必要があります。

実際にこの画像では、同じワックスを左が薄塗り1層、中央が厚塗り1層、右が薄塗り2層施工した際の検証を行いました。
右のエリアが一番ワックスが定着しているのが確認できるかと思います。
このように、天然ワックスは重ね塗りすることで、艶、耐久性を引き上げることができます。

重ね塗りの方法はとてもシンプルで、1層目を塗布、拭き取りしてから完全に硬化させるために可能な限り時間を空けます。
理想は12〜24時間ですがそこまで極端に時間を空けなくても実際には大きな支障をきたしません。
屋外では汚れが付いてしまうため、シャンプー洗車をしてから2層目を施工します。
屋内保管で汚れが全く付かない場合は、そのまま洗車をせずに2層目の施工が可能です。
屋内保管でも僅かに埃が付いている場合は、QDをマイクロファイバークロスにスプレーして拭き取ってから2層目を塗布する事ができます。

メンテナンスについて

天然ワックスは、石油系ワックスと比較し耐久性が優れていることも特徴です。
そのため、洗車の度に施工する必要はありませんので、メンテナンス用の艶、撥水のブースト効果があるシーラント等で手早く済ませるのも良いかと思います。

【おすすめメンテナンス用品】
INSTABEAD EXTREME CERAMIC WET COATING
FOSHOW EXTREME GLOSS SPRAY WAX

まとめ

今回は、失敗しない天然ワックスの施工方法についてコラムを書かせて頂きました。
全てのワックスに当てはまるやり方ではありませんが、ご参考になれば幸いです。

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